法人名刺は、そのデザインによって経営理念やコンセプト、あるいは製品イメージまで決定づけてしまう可能性のある「会社の顔」のような存在です。一般的に「ビジネス名刺」と称されるこの名刺のデザインジャンルには、職種や業種によって実に様々なデザインが混在し、それぞれの存在感を主張しています。営業職の手腕もさることながら、たった一枚の小さな紙片で会社のイメージを左右する可能性のあるビジネスアイテム・名刺。必要な情報を余すことなく伝え切る機能性をしっかりと有しながらも、会社の個性を一層際立たせるデザインで同業他社に差をつけ、競争の激しいビジネスシーンを勝ち抜くアイテムとして有効活用していきたいものですね。そのためにはまず、名刺が持っている機能と役割を理解することが大切です。

名刺の持つ役割を重視し、機能性を優先する

名刺の起源は古く古代中国まで遡り、日本では江戸時代頃から原型となるアイテムが使用され始めていたそうです。現在では、初対面のビジネスマン同士が互いの所属や肩書を明らかにするために交換するという形で利用されているビジネスツールですが、当初は訪問先が不在であった場合に、来訪を告げる目的で自分の名前などを記したものを戸口に挟んで帰るという使い方をしていました。いずれにしても、明確に自分の立場を表明し、本来の目的を達成するためのビジネス補助アイテムということになりますから、いくら先鋭的なデザインで他社と差をつけようとしても、その機能を損ねてしまうようなケースは望ましくありません。特に会社の方針をも体現する法人名刺は、よほど遊び心を要求される職種という特例を除けば、この鉄則を守るのが無難と言えるのではないでしょうか。

企業がアピールしたいポイントをデザインに落とし込む

見やすさや読みやすさなどの機能性を保持する前提を保つことができたら、企業がアピールしていきたいポイントをデザインにどんどん落とし込んでゆくことによって、個性を追求しましょう。法人名刺の場合は、特にわかりやすく顧客が求めているサービスのイメージをおさえておくことも肝要です。例えば建設業なら建物の丈夫さを想起させるどっしりとしたイメージや、安全性や信頼性、エコなどの観点も考慮したカラーリングが効果的と言えるかも知れませんね。対象が子供やファミリー層に絞られる商品の製作会社であれば、癒しや可愛らしさを感じさせるパステルカラーやポップなカラーリングに、丸みを帯びた優しいフォントが好まれる傾向にあります。近頃はたくさんの企業がシンボルマークやロゴタイプを作成してプロモーション活動に取り入れるケースが増えてきました。その中でしっかりと顧客に訴求する法人名刺をデザインするなら、より多角的な視点で自社のサービスを捉える能力も必要になるでしょう。